社畜になるのはもううんざり

社畜になるのはもううんざり

社畜としての生活におさらば。趣味に生きる楽しい生活がしたい。

ぶっ飛んでいたお師匠さん Tさんの話①

僕は昔、テレビ業界で働いていました。

今も地方に戻り放送業種で働いてはいるんですが、

昔は、テレビ制作会社という、この世でも指折りのブラック形態がはびこる

業界でしごかれていました。

 

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テレビ業界はホントに地獄だが夢はある

どれぐらい激しいかというと、

・一度出社すると、数日は帰れない。

・会社で寝て、会社で起きる。

・給料は手取りで17万ほど。

・交通費が支払われないので、定期代を引くと15万ほどになる。

・めちゃめちゃ怒られるし、殴られるし。

・もちろんボーナスなどなし

 

と、あげるといろいろありますが、正直これはテレビ業界では普通なんです。

みんなそれでやってるから、そんなもんだと思っていたし、

なによりも、やりがいはスゴいある仕事でしたから、

仕事事体はとても楽しかったんですが、本当に辛かった。

 

そんな過酷な現場で、生き残っていく猛者達は

やっぱりどこかぶっ飛んでる人が多かった。

やっぱり、人と違う感性がないと生き残れないし、

どんな状況でも耐え抜ける強い心がないと生き残れない、

そんな厳しい世界だったと振り返ると感じます。

 

僕がこんな人になりたいと思う人 その① Tさん

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そんな世界で僕はお世話になった人が何人かいます。

その1人がTさん。

この人はバリバリの演出家だったんですが、

僕が今まで出会った人の中で、一番面白く、一番ぶっ飛んでいた。

 

ホームレスのような、ヒゲを蓄え、

髪はひとつ屋根の下のあんちゃんぐらいなロン毛。

しかも、くるくるにパーマをかけている。

そんな髪型について、「坂本龍馬にあこがれてるんや」

と、ぽろっと言っていた。

なぜ、坂本龍馬に憧れてたら、ロンゲでパーマなのか分からないが、

それを聞いて、腹がちぎれるほど面白かった。

今思うと、確かに坂本龍馬気質があった気がする。男!って感じの人だった。

 

Tさんはたった一言喋るだけで、

その場の空気を完全に我ものにするようなところがある人だった。

Tさんが喋れば、どんなに偉い人がいる会議でも主役はTさんになっていた。

本当に不思議な人だった。これがカリスマ性というんだろうと思う。

 

あと、超ヘビースモーカーで目を離すと、

すぐ灰皿に隙間なくタバコが刺さった状態になる人でもあった。

これは後々、Tさんが死にかける事件が起きることに関係するのだが、

その話はまた機会。

  

さらに、坂本龍馬に憧れてるだけあって、

このご時世でパソコンが全く、使えない人だった。

手書きで書いたのをこっちが、パソコンで打ち直す。

いつも鞄にはA4の紙と、小学生が使う筆箱に入った鉛筆。

さらに鉛筆削りも常に持参していた。

シャーペンすらも使わないのだ。

 

そんなお師匠さんでも、編集はしないといけないので、

編集機の使い方はなんとか覚え、編集の際はぎこちなくパソコンをつついていた。

 

そんなある日、会社のパソコンが新調され、新しくなるという事件が起きた。

すると、お師匠さんはパソコンにあるwebカメラをずっと、

押しながら、「つかへんで!パソコンがつかへんで!」

と、叫び続けていた。見たことないパソコンは電源の入れ方すら分からないのだ。

 

そんな昭和気質なところがホントに大好きだった。

しかも、この人が出すアイデアは爆発的に面白かった。

そんな才能や人柄で人望もあったし、カリスマ性があった。

 

パソコンは使えなかったが、お師匠さんはよく

「おれは紙と鉛筆があれば仕事ができる」と言っていた。

はっきり言って、そんなテレビマンはいない。

パソコンなんてできて当たり前、カメラ扱えて当たり前、

画像編集ソフトなど特殊なソフトも使えないといけない。

紙と鉛筆だけで仕事をこなしているのは、この人だけかもしれない。

 

これを聞いたとき本当にかっこいいと思った。

僕も紙と鉛筆だけで巨万を富を得れるような人間になりたいと強く思ったものだ。

そのぐらい、この人のアイデアは特別だった。

台本なんて、目が飛び出るほど面白いのだ。

 

ある日、ADが何かの拍子に、コーヒーをすすめることがあり、

AD「ミルクとコーヒーいりますか?」と聞くと、

T「ブラックや!オーラで分かるやろ!オーラ感じへんのか!」

と怒鳴り散らしていたこともあった。

 

確かに、むちゃくちゃなことは言うけれど、

なぜか憎めず、みんなに愛され、僕もとても尊敬していた。

 

この人もADの時代が勿論あったようで、

下積み時代は誰も住んでいない家に居候していたという話を話してくれたことがある。

 

道を歩いていたら、誰も住んでいない空き家を見つけたらしい。

ちょうど、いいやということで、そこに数ヶ月無断で住んでいたとのこと。

 

もう、ムチャクチャだ。そんなこと怖くて普通できない。

よくつかまらなかったもんだ。

借金も山ほどあったらしく、借金取りがなんども家に押し掛けて来てたらしい。

借金も闇金的なところに借りてたらしい。

リアルウシジマ君を体験したそうだ。

そんなこと、ドラマの中だけかと思っていたけど、ホントにあるんだという

事実に衝撃を受けた。

 

Tさんは出来の悪いADだった僕をとても可愛がってくれた。(と、自分では思っている)

その分、めちゃめちゃ怒られもしたが。。。

 

そんなTさんのおもしろ話は沢山あるので、またまとめて紹介出来たらと思います。

Tさんにはとてもいい影響を受けたと思っています。

できそこないの自分を気にしてくれて、本当に感謝してます。

そして、今の自分があるのは少なからずTさんのおかげだと思っています。

 

そんなTさんも東大出の奥さんと結婚し、男の子が生まれた。

当時はTさんが親になるということに衝撃だったが、

あんな父親も悪くないと思う。

 

最近思うこと。自分はちゃんと感謝を伝えてこなかった。

 

仕事をやめて、実家に帰る時、Tさんには仕事上で、

丁度関わってなかった次期でもあり、

うまく、挨拶ができないまま、帰郷してしまった。

のちのち、少しばかり電話で会話はしたが、いつかこの感謝の気持ちが

直接伝えれたらいいと思う。

 

最近思うこと、最後の最後にちゃんと感謝を伝えれれば、

後腐れなく綺麗な分かれ方が出来る気がする。

それが次につながるのだと思う。恋愛でもなんでもそうだ。

もし、今の会社を辞めることになっても、感謝だけ伝えて、去れるような

人間になっていたい。